トランプ政権、保護主義強める 緊急輸入制限、市場懸念 

 【ワシントン=塩原永久、ベルリン=宮下日出男】トランプ米政権が再び保護貿易主義的な動きを強めている。約16年ぶりとなる緊急輸入制限(セーフガード)発動に続き、24日にはムニューシン財務長官が輸出競争力の強化につながるドル安容認に言及。金融市場はこれらの動きをトランプ大統領の貿易戦争も辞さない強硬姿勢とみて懸念を強めている。

 ムニューシン氏はスイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の会場で「貿易に関していえば弱いドルは米国にとって明らかによい」と発言。貿易赤字解消を求める政権中枢から発されたメッセージを受け、外国為替市場でドル安が加速した。

 しかしこうした発言への反発も出ている。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は25日の理事会後の記者会見でこの発言を念頭に、「(為替相場への言及を避けるという)取り決めを反映していない」と述べた。

 トランプ政権は23日には中国や韓国などからの太陽光パネルや住宅用洗濯機の輸入急増が米企業に損害を与えたとしてセーフガードの発動を決定。トランプ氏は通商代表部(USTR)に「引き続き米国の産業を保護する調査を指示」したと述べた。またダボス会議では24日、ロス商務長官も「中国は自由貿易を提唱することが上手だが、保護主義的な行動をとるのは一段とうまい」と挑発。中国の供給過剰が問題視されている鉄鋼製品などに厳しく対処する考えをにじませた。

 一方、サンダース大統領報道官は24日の記者会見で「大統領は常に変動為替相場制を支持している」と述べ、米政府がドル安誘導を狙っているとの見方を否定。しかしトランプ氏は最近も貿易戦争となる「可能性がある」と述べており、経済界の不安は消えない。

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