平昌五輪 北朝鮮、韓国に合同文化行事で発電用の軽油提供迫る 米国との制裁の足並み乱す恐れ

 【ソウル=桜井紀雄】韓国と北朝鮮が開催で合意した平昌五輪に合わせた北朝鮮南東部、金(クム)剛(ガン)山(サン)での合同文化行事で、発電用の軽油提供を迫られたことで韓国政府が頭を抱えている。対北制裁で米国との足並みを乱す懸念があるためだ。

 複数の韓国メディアによると、北朝鮮側が「会場となる施設は南(韓国)側が造ったもので、安定的な電力供給は難しい」と通達。施設はかつて観光事業で韓国企業が整備したものだ。このため、2月4日ごろに開催が見込まれる行事を前に韓国側が今月30日ごろ、北朝鮮に軽油約1万リットル(約63バレル)を運び入れることになった。

 国連安全保障理事会が昨年12月に採択した対北制裁決議は、加盟国が北朝鮮に供給する石油精製品の量を年間50万バレルに制限した。今回は量も少なく、韓国政府当局者は「安保理に報告すれば、制裁違反とは指摘されない」とみる。

 ただ、米政府が独自制裁で北朝鮮への石油精製品の供給を禁じている。米の国内規定に韓国が従う義務はないものの、米との共同歩調を乱す恐れがあり、韓国政府当局者は、米国と緊密に協議していくとしている。

 北朝鮮の五輪参加をめぐって韓国内で制裁違反の論議が出ていることに、北朝鮮側は「軽率な言動が関係改善の種火を消す結果を招きかねない」と牽(けん)制(せい)している。韓国政府は今後も北朝鮮側への便宜と制裁維持との間で難しい判断を迫られそうだ。

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