平昌五輪 制裁骨抜き、浮かぶ北思惑 「五輪成功へ例外」文政権の足元見透かす

 【江陵=桜井紀雄】北朝鮮が平昌五輪に合わせた芸術団派遣で、貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」を使って6日に韓国入りすると突然、通告した。北朝鮮船舶の入港は韓国の独自制裁に違反。北朝鮮のボイコットを恐れ、拒否できない文(ムン)在寅(ジェイン)政権の足元を見て、米国と歩調を合わせた制裁を骨抜きにしようとする思惑が浮かぶ。

 芸術団の訪韓をめぐっては、北朝鮮は当初、軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)を通るとしていたが、その後、別の陸路を通ると変更。今回、派遣間際に再び前言を翻したことになる。韓国統一省によると、北朝鮮側は「寝泊まりに便利なためだ」と理由を説明したという。

 北朝鮮は、2002年の釜山(プサン)アジア大会でも万景峰で大規模応援団を派遣し、宿泊にも使ったことがある。だが、当時とは事情が大きく異なる。韓国は10年の哨戒艦撃沈事件を受けた独自制裁で、「北朝鮮船舶の韓国海域での運航を禁じる」と規定したからだ。韓国政府は「五輪成功に向けた例外措置」として、許可する方向で検討している。

 南北スキー合同練習のため、北朝鮮への往復に韓国の航空機を利用した際も米国の独自制裁に抵触する恐れが浮上。米政府が憂慮を示しつつ、例外と認めた経緯があった。

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