文在寅政権利用、包囲網突破狙う 北が首脳級会談で金正恩氏の親書

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が韓国の文在寅大統領に早期訪朝を呼びかけた背景には、核・ミサイルの開発と挑発に対する国際社会の対北制裁が強まるなか、難局突破には韓国以外に利用できる相手がいないという現状がありそうだ。

 金正恩氏は1月1日に発表した「新年の辞」で韓国に対し、平昌五輪について「代表団派遣を含め、必要な措置を取る用意がある」とし、韓国に対話を促した。この性急さは、制裁によって追い込まれた北朝鮮の苦境を物語っている。妹の金与正氏を急遽派遣し南北首脳会談まで提案したことで、金正恩氏が直面する隘路(あいろ)をさらに裏付けた形だ。

 平昌五輪開幕までのわずか1カ月余りで、実際に金正恩氏の提案通りになった。外国首脳との会談経験もなく外交経験が乏しいとされる金正恩氏だが、文在寅政権の韓国ならば懐柔できるとみているようだ。

 文在寅氏は昨年5月の大統領就任以来、事あるごとに「対話による北朝鮮問題の解決」を訴えてきた。北朝鮮での首脳会談を呼びかければ、文氏なら必ず応じると踏んだとみられる。文在寅政権は、北朝鮮側から足元を見られていると言ってよいだろう。文政権内には親北勢力も存在する。

 金正恩氏は、国際社会の対北圧力網を韓国から破り、国際協調態勢を揺さぶろうとしている。米国をはじめ国際社会は北朝鮮に核放棄を求めているが、その意思は北朝鮮が断言しているように全くない。

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