トランプ氏 米韓連携堅持しつつ、文在寅氏の対北傾斜警戒

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、北朝鮮が平昌五輪の閉会式に2010年の韓国哨戒艦撃沈事件などを主導したとされる金英哲氏を派遣することに対し、国際社会に対する挑発行為と見なしつつも静観を保ち、米韓連携の堅持に努める方針だ。

 トランプ政権はこれまで、平昌五輪の機会を利用した北朝鮮による韓国への「対話攻勢」に関し、五輪を成功に導きたい韓国の立場などに配慮し、「対話は良いことだ」(トランプ大統領)などとして容認する態度を示してきた。

 ただ同時に、韓国の文在寅大統領を日米韓による対北朝鮮連携の「最も弱い鎖の輪」(米政府関係者)と位置づける米政権は、文氏が金英哲氏との会談を通じて金正恩朝鮮労働党委員長との直接会談に一気に傾斜し、北朝鮮の思惑に乗せられる形で南北融和が進むことを警戒する。

 そうした中、米政権が五輪の閉会式にトランプ氏の長女、イバンカ氏を派遣することを決めたのは、かねて同氏の訪韓を切望してきた文政権に対する最大限の外交辞令を示し、韓国重視の姿勢を打ち出す狙いがあるといえる。

 同時に、北朝鮮に対しては、北朝鮮との対話を視野にペンス副大統領を筆頭に重量級の編成を組んだ開会式の代表団とは一転し、北朝鮮と交渉する立場にないイバンカ氏を閉会式の米代表団のトップに据えることで、北朝鮮と性急に対話を進める意思はないことを示した格好だ。

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