平昌五輪 北朝鮮が対話攻勢で韓国分断 文在寅政権はテロ主導幹部を擁護

 【平昌=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、平昌五輪の開会式に妹の金与正氏を、閉会式に側近の金英哲党副委員長を韓国に送込んだ。スポーツの祭典の裏では、最後まで生臭い「政治の祭典」が続けられた。金正恩氏は、五輪に乗じた対話攻勢で何を手にしたのか。

 25日の会談で、文在寅大統領が「南北関係が今後、広範囲に進展しなければ」と述べたのに対し、金英哲氏は、金正恩氏も「同じ意志を持っている」と述べた。

 北朝鮮が22日に金英哲氏の訪韓を通告後、文政権は政府を挙げて金英哲氏の擁護に出た。統一省は「哨戒艦撃沈の主犯と特定するのは難しい」との報道資料を配布。情報機関、国家情報院の幹部まで「金英哲氏がはっきりと指示したか分からない」と釈明した。

 金英哲氏の事件への関与は米韓当局がインテリジェンス(情報)を積み重ねて導いた分析だった。北朝鮮に突き付けるべき「情報」という最大の武器を文政権は自ら手放したに等しい。

 米国務省報道官は22日、金英哲氏が「撃沈事件の記念館を訪れる機会があることを望む」と痛烈な皮肉を述べた。トランプ米大統領は、娘のイバンカ氏が訪韓した23日、船舶や業者など計56を対象にした過去最大規模の独自制裁を発表。非核化を度外視した南北対話の進展に、行動でいらだちを示したとも読み取れる。

 安倍晋三首相が9日の会談で文氏に五輪後の米韓合同軍事演習の実施を念押ししたことに、文政権や韓国与党は「内政干渉だ」と反発した。北朝鮮の五輪参加が結果的に日韓の連携にくさびを打ったことになる。

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