露工作の標的は「米国の民主主義」 米大統領選干渉疑惑の正しい読み方

【アメリカを読む】

 ロシアの米大統領選干渉疑惑を捜査しているモラー特別検察官はロシア人13人やネット企業など3社の起訴状を発表した。そこに記されたソーシャルメディアを通じたロシア側の工作から浮かび上がったものは、米国の民主主義が標的であることだ。ロシアとトランプ陣営の「共謀」疑惑に目を奪われていると、米社会の分断を自らの影響力につなげ、大国ロシアの復活をもくろむプーチン大統領の狙いが見えにくくなる。(ワシントン 加納宏幸)

大量の「偽アカウント」

 起訴状は、ロシア西部サンクトペテルブルクのネット企業「インターネット・リサーチ・エージェンシー」(IRA)の手口を詳述した。2014年春、同社はネット上に偽情報を流して影響力を及ぼすトロール(釣り、荒らし)行為に当たる「翻訳プロジェクト」というチームを発足させ、16年大統領選が大詰めを迎えた同年夏には80人以上の従業員が関わった。

 米メディアが「トロール(釣り)工場」と呼ぶ同社は、月に7300万ルーブル(約1億4千万円)という潤沢な資金を得て、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアに数百のアカウントを開設し、従業員に米国の「オピニオン・リーダー」として振る舞わせた。米国内の時差に合わせて日勤と夜勤のシフト体制で活動させた。

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