農家の不安払拭を狙うトランプ氏 中国の報復に対応 

 トランプ氏がTPPへの復帰検討を指示した背景には、激しく対立する中国の対米報復措置により、打撃を受ける農家や畜産業の不安を払拭する狙いがある。米国の農業・畜産業界は、TPPに参加するオーストラリアなどの農業国との国際競争で不利になるとして、TPP参加を米政府に訴えていた。通商摩擦が続く中国を牽制(けんせい)する意味合いもありそうだ。

 トランプ氏のTPP復帰の指示は、農業が盛んな中西部出身の連邦議員から、歓迎の声が出ている。3月下旬に鉄鋼やアルミニウムの輸入制限を発動した米国に対抗し、中国は豚肉などの米輸出品に関税を課す対抗策を実施。4月に入り米政権が公表した知的財産侵害に関する対中制裁案では、中国が米国産大豆などに関税を課す報復措置を示し、「中国市場を競合国に奪われたくない」(米大豆協会)といった懸念が噴出していた。

 米政界は11月の中間選挙を控え、選挙モードが強まっている。中国政府は米国の政治動向を詳しく研究しているとされ、対米報復の対象として、民主党支持の傾向が強い東部、西部の沿岸部ではなく、共和党やトランプ氏の支持基盤と重なる中西部を支える農畜産業を狙った。中国側に急所を突かれた格好のトランプ氏は、農務省に農家の損失補償策の検討を指示していた。

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