シリア攻撃 「全面支持」「政治解決を」 中東諸国、割れる反応

 カタールも攻撃支持を表明した。同国のウデイド空軍基地は米軍の重要拠点だが、攻撃に使用されたかは確認されていない。ただ、シリアは米戦闘機の出撃に使われたとし、間接的に攻撃を支援したのは「恥ずべきことだ」と非難している。イランとの接近などを理由にサウジなどが断交して10カ月となるカタールの難しい立場がうかがえる。

■イラクは「危険」

 これらに対し、イラクは「とても危険な展開だ」と懸念を示した。同国では昨年、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)がほぼ壊滅し、復興に向けた国内安定が急務だ。隣国シリアでの不安定要因を危惧する心理が見える。

 エジプトは「軍事行動の拡大はシリア国民にとってマイナスだ」と表明、ヨルダンも「政治的解決がシリア安定のただ一つの道だ」とくぎを刺した。両国はイスラエルと平和条約を結んでおり、対米関係も悪くない。にもかかわらずこうした反応が出るのは、それぞれが抱える事情がある。

 エジプトは分断状態のパレスチナの和解を主導するなど地域での発言力を取り戻す狙いがあり、米欧の介入策を嫌うアラブ世論を意識した可能性がある。一方、シリア南部と国境を接するヨルダンは大量のシリア難民を受け入れており、シリアでの緊張の高まりを歓迎できないのが実情だ。

 「支持」と「懸念」が入り乱れる中東諸国の反応は、米英仏の軍事攻撃という重大な局面にもかかわらず、地域の問題に主体的に対処できない実態を映し出している。

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