メルケル独首相、埋まらぬトランプ米大統領との溝

 【ベルリン=宮下日出男】メルケル独首相の訪米は3月の新政権発足後初となった。米独首脳は「協調」演出に腐心する姿もみられたが、マクロン仏大統領が直前に訪米した際とは対照的に2人の“距離”は覆い隠せなかった。米側が求める重要課題で打つ手も乏しく、対米関係の苦慮は今後も続きそうだ。

 トランプ米大統領は記者会見で、国防費や貿易不均衡の問題に不満を述べつつも、「非難されるのはこれを許してきた私の前任者らだ」とし、ドイツや欧州連合(EU)への激しい直接批判は控えた。

 一方、メルケル氏は「頼れる時代は過ぎた」と対米不信を示した過去の発言に関し、「私たちも貢献する必要があるとのことだ」と答えた。昨春の訪米では握手を拒まれただけに動向が注目されたが、独メディアは「2人とも協調に努めた」と評した。

 だが、いずれの課題も「歩み寄りはなかった」(DPA通信)のが実情。ポンペオ米国務長官は両首脳の会見と同じ時刻ごろ、ブリュッセルでの会見でドイツの国防費増額の努力が十分か問われ、「ノー」と明言。貿易問題ではメルケル氏が米EUの自由貿易協定(FTA)交渉再開で対応する案も示唆したが、議論が深まった様子はない。

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