中国の悪弊を封じ込めるため、トランプ政権は同盟国と協力を

【湯浅博の世界読解】

 太平洋を挟んだ貿易戦争がついに始まった。

 米国の大型貨物船「ピークペガサス」は、全速力で大海原を西に向かっていた。船倉には、米西海岸で積んだ中国向けの大豆を満載している。

 ピークペガサスがまだ洋上にある6日正午(北京時間)すぎ、ワシントンは事前の布告どおりに中国製品に対する制裁関税を発動させた。理由は、中国による国際ルール無視の知的財産権侵害による悪弊にある。

 船長は中国が対抗して報復関税の引き金を引く前に、大連港での荷揚げを済ませたいと急いでいた。

 だが、大型船の入港直前に中国が報復を発動させた。ピークペガサスは多くの米中両国の貿易会社やビジネスマンとともに、この貿易戦争の最初の犠牲者になった。全米商工会議所のトーマス・ドナヒュー会頭は、「関税は誰にとっても、価格を引き上げる増税と同じである」と嘆いた。

 減税案を掲げるトランプ政権が「増税」とはどういうことなのか。確かに、貿易戦争によって高関税を払うのは外国企業ではない。自動的にモノの値段が上がって、つまりは米国の消費者が支払うことになる。すると、その分が政府の懐に歳入として入ることになるから、会頭のいうように「増税」と少しも変わらないことになる。

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