米海軍が「海のトップガン」を編成へ 潜水艦の仮想敵部隊で中露との潜水艦戦闘に備え

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国海軍協会(USNI)が8日明らかにしたところによると、米海軍の潜水艦隊は中国やロシアの潜水艦との戦闘が起きた場合に即応できるよう、新たに「アグレッサー部隊」と呼ばれる訓練用の仮想敵潜水艦部隊を編成する。

 米空軍や海軍航空隊には、東西冷戦期からソ連(現ロシア)の戦闘機隊に見立てた仮想敵部隊が存在するが、潜水艦隊で同様の部隊を作るのは初めて。

 仮想敵潜水艦部隊は、今年1月にマティス国防長官が発表した米軍事政策の新指針である「国家防衛戦略」で、「訓練重視」や「高度な戦闘を支える新たな手法の導入」が提唱されたのを受け、米海軍が配備する攻撃型原子力潜水艦部隊の訓練体系を全面的に見直す中で導入が決まった。

 1986年公開の米映画の題名ともなった通称「トップガン」と呼ばれる海軍戦闘機兵器学校と同様、敵の戦術や行動パターンを詳細に研究し、演習では敵側にふんして実戦さながらの「攻撃」を仕掛け、戦闘能力の向上を図る。

 ただ、空軍の仮想敵部隊を擁する「空軍戦闘センター」やトップガンには塗装を露軍機に似せるなどした独自の訓練機が配備されているのに対し、仮想敵潜水艦部隊には潜水艦自体は配備されない。

 海軍の広報官は「仮想敵部隊は独自の潜水艦こそ持たないものの、敵の想定される能力を研究し尽くした専門家チームとなる。潜水艦部隊は演習で実戦と全く変わらない体験をすることになる」と強調した。

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