ファーウェイ逮捕当日に自殺していた習氏“参謀” 中国「千人計画」と関係か

 大学のサイトには、同僚の《(張氏は)土曜日の晩、突然亡くなりました。これは壊滅的な損失です》といった弔辞や、家族の《著名な科学者・思想家として知られていたが、私たちは愛する夫と父親として彼を知り、愛していました》というメッセージが掲載されていた。家族は、張氏が心の病と戦っていたことも明らかにしている。

 ただ、亡くなった日と、「千人計画」との関係などから、ニューヨークや香港の中国系メディアは大騒ぎとなっている。

 張氏は、スタンフォード大学教授とともに、中国の習近平国家主席の母校である北京・清華大学の客員教授や、江沢民元国家主席の長男が学長を務める上海科技大学の特任教授も務めていたという。米当局が危険視する「千人計画に選ばれていた」という報道や、「実は、千人計画の発案者の一人」という見方もある。

 張氏が単なる研究者と思えないのは、習氏が副主席時代に創設したとされる「国家一等功」賞に6年ほど前、香港「フェニックステレビ」の劉長楽会長兼CEOや、中国IT最大手「アリババグループ(阿里巴巴集団)」のジャック・マー(馬雲)会長、中国IT企業「テンセント(騰訊)」のポニー・マー(馬化騰)CEO、ファーウェイ創業者の任正非CEOらとともに表彰されたという情報が伝わっていることだ。

 前出の4企業は、習氏の掲げる「偉大なる中華民族の復興」を支える屋台骨とされ、人民解放軍に近い。ファーウェイの任氏は、カナダ当局に逮捕された孟容疑者の父親で、人民解放軍出身である。張氏は、米中戦争の“被害者”なのか。

 米国や同盟国が、中国による「軍事・ハイテク覇権」の阻止に乗り出したなか、世界覇権を目指す習政権の足元が大きくグラついていることだけは明らかである。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『中国・中国人の品性』(ワック)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)など。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ