変容する韓国軍レーダー照射から見える「日韓関係絶望」

左派代表

 文氏は大統領就任後、「積弊精算」の名の下に朴槿恵氏と李明博氏の保守派の大統領経験者2人を刑務所へ送っている。有罪判決までの過程は「韓国は法治国家ではなく情治国家」とのステレオタイプな韓国観を補強するものだった。

 運動圏(学生運動で活動した左派を示す韓国の用語)の闘志として長く保守派政治家と政治闘争を繰り広げてきた文氏は、朴氏と李氏を仇敵(きゅうてき)と見なしているようだが、その“対象”は2人だけではない。

 学生らの民主化デモを軍が鎮圧した1980年の「光州事件」について文氏は2017年の同事件記念式典で「文在寅政権は、光州民主化運動の延長線上にある」と強調した。韓国の保守派にとって韓国軍は北朝鮮の侵攻を防ぐ盾だが、左派のなかには保導連盟事件など朝鮮戦争前後の数々の虐殺事件や光州事件を引き起こした「弾圧の軍」とみなす者もいる。

 そうした左派を代表するのが文氏の立ち位置だ。大統領の強権をもってすれば軍の人事異動どころか組織刷新も可能だ。前大統領の朴氏が海洋警察庁(日本の海上保安庁に相当)を解体したのは記憶に新しい。左派大統領の前では、海軍はひたすら恭順を示し、失敗を責められないよう戦々恐々とするしかない。海上自衛隊とは2010年から海上哨戒機の作戦部隊展開で交流行事を行っているが、こうした友好関係も組織防衛の前では無価値だ。

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