重い腰あげた欧州のファーウェイ排除 まだら模様の警戒感

■まだら模様の警戒感

 「EUや北大西洋条約機構(NATO)加盟国間で共通の立場があってしかるべきだ」。ポーランドのブルジンスキ内相は事件後、こう語り、華為への対応をめぐり、欧州の協調対応を訴える声も上がる。だが、一方では華為への警戒が“まだら模様”でもあるのも実状だ。

 ポルトガルでは昨年12月上旬、中国の習近平国家主席が訪問中、5Gの開発協力のため、大手通信企業が華為と覚書に署名。ハンガリーも11月、担当閣僚が華為側と同様に協力文書を交わした。ポルトガルは巨大経済圏構想「一帯一路」への関与にも積極的で、ハンガリーのオルバン首相も中国重視で知られる。このほかイタリアやマルタも華為との協力推進が目立つ。

 経済界には華為排除への懸念もある。ドイツ産業連盟(BDI)のディーター・ケンプ会長は、華為がセキュリティーへの脅威である「証拠」は示されていないとした上、「国内には(華為のような)地位と質を持つメーカーがない」と強調。華為排除による5G整備への影響に不安をのぞかせた。

 華為を使わなくても、スウェーデンのエリクソンとフィンランドのノキアといった通信機器大手はあるが、専門家らによると欧州では華為の技術力への評価も高いという。華為を含む複数メーカーの機器を採用し、競争させることでコスト低下にもつなげられる。

 だが、華為を外せば、コストが増え、5Gインフラ整備が遅れかねないとの指摘もある。米調査会社ユーラシア・グループのテクノロジー担当、ポール・トリオロ氏は「特定の重要メーカーを外せといわれても、それは簡単ではないだろう」との見解も示している。(ベルリン 宮下日出男)

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