韓国、大気汚染で脱原発政策やり玉 なお頑なな文在寅大統領

【ビジネス解読】

 韓国で文在寅(ムン・ジェイン)大統領の脱原発政策がやり玉に挙げられている。きっかけは深刻な大気汚染。「原子力発電所より先に石炭火力発電所を縮小しないからだ」と与党の重鎮国会議員が発言したのが始まりで、待っていたかのように野党や原発業界が加わり、文大統領に、いい加減に目を覚ませと迫っている。脱原発が大気汚染の“主犯”なのかは不明だが、民意も無視した政策に再び厳しい目が向けられている。

 ■北京よりも汚染民

 「ソウルの方が北京より空気が良くない」。1月中旬、ソウル中心部の「光化門広場」を訪れた中国人観光客はこう述べ、残念がったと韓国紙ハンギョレ(日本語電子版)が伝えた。超小粒子状物質「PM2・5」で広場一帯はかすみ、マスクも必携。旅行気分はどこかに吹き飛んでしまったようだ。

 韓国は年明けからPM2・5による大気汚染がひどく、自動車の運転などを制限する非常低減措置が数日実施された。韓国通信社の聯合ニュース(同)によれば、文大統領は側近に「眠れない」と話すほど解決方法に悩んでいるという。

 こうした中、与党「共に民主党」の宋永吉(ソン・ヨンギル)議員が原子力業界主催の新年会で、政府の脱原発政策が大気汚染の悪化を招くと主張。PM2・5と地球温暖化問題が非常に深刻で、二酸化炭素(CO2)排出量が多い老朽化した石炭火力を早急に転換しなければならない、と指摘した。SNS(会員制交流サイト)上でも「まず削減すべきはCO2とPM2・5排出とは関係ない原子力ではない」と発信した。

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