北ミサイル発射場で構造物再建の動き 米朝再会談前に

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が廃棄を約束した北西部、東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射場で構造物を建て直す動きがあることが分かった。米研究機関や韓国の情報機関、国家情報院の分析によるもので、2月末にハノイで行われた米朝首脳再会談の合意を見越して爆破などを効果的に見せる準備を進めていた可能性がある。

 米国拠点の北朝鮮分析サイト「38ノース」や米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)が5日(米東部時間)、2日に撮影された衛星画像を基に発表した分析によると、ミサイルエンジン試験台やロケットを移動させるレール式の構造物で動きが捕捉された。2月16日以降、構造物にクレーン2基が建てられ、壁や屋根が設置されたという。初回の米朝首脳会談後の昨年7月に始まった解体作業は昨年8月以降、停止していた。

 韓国の国情院も5日、国会議員との会合で、解体した施設に屋根や扉を取り付けるなど「復旧の兆候がある」と明らかにしていた。出席した議員によると、徐薫(ソ・フン)国情院長は、廃棄に立ち会う米側検証団に「ものすごい施設をなくすように見せるためだ」との分析を示した。この場合、北朝鮮は米国との合意を前提に準備し、物別れは想定外だったことの裏付けになる。

 徐氏は「会談がうまくいかない場合、長距離ミサイル(開発)を再開するため」との見方にも触れた。復旧作業が2月末以降に始まったなら、米側を牽制(けんせい)する目的だと理解できる。

 国情院は、北朝鮮が10日間となった外遊による金氏の長期不在中にクーデターが起きる可能性を徹底的に取り除く措置も取っていたとみている。飛行場の使用禁止や軍事訓練の全面中断のほか、銃器の使用禁止措置まで取られたという。

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