なぜ台湾は「一国二制度」を受け入れられないか 周学佑・台北駐日経済文化代表処札幌分処処長

 1月、習近平中国国家主席がいわゆる「台湾同胞に告げる書」発表40周年記念式典で談話を発表し、「一国二制度」による台湾統一の具体案を模索する考えを示した。この事態を受け、台湾は早急に声明を発表し、断固として「一国二制度」を受け入れない立場を強調した。

 今回、北京の談話発表には4つの背景があると考えられる。まず1つ目は、中国は経済成長が鈍化し、かつ米中関係が不仲という難局、また国内では香港、チベットやウイグルの問題がある。そのため内部の圧力から目をそらさせ、台湾に目がいくようにしている。

 2つ目は、中国が近年、パワーをもって世界の民主主義陣営、特に台湾の各分野において浸透を図ろうとしている。その目的は台湾の民主主義を破壊し、最終的に台湾を併合することである。

 3つ目は、習氏が就任して以来、中国の海洋進出が次第に南シナ海や東シナ海に拡大し、軍機や艦艇を台湾の空海域に出没させるなど、インド太平洋地域の現状を変えようとしている。

 4つ目は、台湾の民主主義的なライフスタイルは、大陸の住民が憧れる見本であり、そのため、北京は民主、人権といった普遍的な価値が全土に広まることを妨害しようとしている、というものである。

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