北、正恩氏の方針撤回できず ミサイル施設再建もやぶ蛇

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が15日、対米交渉の中断を警告する強硬姿勢に出た背景には、最高指導者自らが非核化の一部措置と引き換えに主な国連制裁の解除を勝ち取るという方針を掲げた以上、取り下げるわけにはいかないという事情があるとみられる。

 北朝鮮は11日以降、対外宣伝メディアを駆使し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領との再会談で提示した寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄と交換に主要制裁の解除を求めた案がいかに正当かを連日、喧伝(けんでん)している。

 その中で「完全な非核化へ進もうとするのは、われわれの確固たる立場だ」としながら、北朝鮮側の要求は「米政府の立場も十分に反映し、これより良い案はあり得ない」と主張した。

 注目されるのは、全国の宣伝部門幹部を集めた大会に金氏が6日に送った書簡だ。対外環境が改善されても「自力更生」が重要だと訴え、「経済発展と人民生活向上より差し迫った任務はない」と強調。「情勢はわれわれに有利に発展」し、「制裁策動も破綻を免れなくなっている」と指摘した。会談が物別れになった後も制裁解除の獲得を前提にした指針を最高指導者名で公開し、後には引けなくなっている証左だ。

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