米国と中国、5Gで覇権争い ファーウェイが標的に

 【ワシントン=塩原永久】第5世代(5G)移動通信システムは、米国と中国のハイテク覇権争いの焦点となっている。5Gは次世代産業の創出が期待されるほか、無人機など軍事技術にも応用される。米国は安全保障上の懸念があるとして、自国や友好国から中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の機器の排除に乗り出しており、米中の威信をかけた主導権争いが先鋭化している。

 5Gの商用化をめぐっては、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが3日、スマートフォン向けサービスを中西部シカゴなどの2都市で開始した。韓国企業による「一番乗り」を阻止すべく、当初予定を約1週間、前倒しした。

 トランプ米大統領は「公正な競争条件」が重要だとして、大規模な政府補助金を投じて開発を進める中国に対抗意識をにじませている。高速大容量の通信インフラとなる5Gが、自動運転車をはじめ新産業を切り開くとの期待や、無人機の運用能力の向上などによって軍事面の優勢につながると想定されているためだ。

 米政府は、中国政府と一体となって5Gを推進する華為に矛先を向けており、中国製の機器を通して通信が中国当局に漏れるとの懸念から、日本や欧州に同社の機器を調達しないよう要求。一方、華為も、米国による包囲網の構築に対抗している。

 主要国で5Gのサービス普及には数年かかるとみられるが、米中の対立を受けて、5Gの技術仕様などが2陣営に分断されるとの見方も浮上している。

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