正恩氏「経済集中路線」の維持強調 北で党中央委総会

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は10日、朝鮮労働党政治局拡大会議が9日に平壌で開かれ、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が「党や国家次元で至急解決して対策を講じるべき諸問題について深く分析した」と報じた。会議では、最近の情勢に即して「新たな闘争の方向と方法を討議、決定するため」、党中央委員会総会を10日に招集することを決めたとしている。

 中央委総会は、政権の新方針などを討議する党の重要会議で、昨年4月には、核・ミサイル実験の中止や、核開発と経済建設の「並進路線」から経済に集中する路線への転換を決定した。今回の内容は伝えられていないが、2月末の米朝首脳再会談の物別れを受けた方針を新たに打ち出す可能性がある。

 金氏は、拡大会議で「今日の緊張した情勢」に対処し、幹部らが自力更生の精神を発揮して党の「新たな戦略的路線」を貫徹していくことを強調したという。

 新たな路線とは、昨年以来の経済集中路線を指す。米朝交渉の物別れという「緊張した情勢」にありながらも、制裁解除に向けた対米交渉を含む経済優先路線を維持する立場を示した形だ。ただ、外交路線の転換に触れたわけではなく、米朝交渉の膠着(こうちゃく)化はしばらく続きそうだ。

 11日には、国会に当たる最高人民会議が、3月の5年ぶりの代議員選挙後初めて開かれる。党総会と合わせ、人事の刷新が行われるもようだ。金氏は最高指導者として初めて代議員に選出されず、憲法改正などを通じて国家元首といった新たな法的地位を得るとの観測が出ている。米朝再会談などの情勢変化が人事に反映されるかも注目される。

 拡大会議の報道は2015年以来、約4年ぶり。最高人民会議に提出する今年度予算案も承認された。

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