悲鳴に包まれた祈りの時間 スリランカの連続爆発

 【シンガポール支局】スリランカで21日発生した連続爆発。標的となった教会にはキリスト教の祭日「イースター」(復活祭)の祈りをささげる人々が集まっており、爆発音と悲鳴に包まれた。近年はテロが少ないとされていたスリランカ。日曜日の大惨事を目の当たりにした人々は呆然(ぼうぜん)と立ちすくみ、救出作業を見守った。

 「あまりに悲しい出来事だ」。爆発のあった教会の神父は取材に沈痛な面持ちで語った。地元テレビの映像は、粉々になった教会のいすや血で赤く染まった床を映し出した。がれきの中から負傷者を運び出す様子が報じられ、教会の外では信者とみられる人たちが放心状態で立ち尽くしていた。

 爆発があったコロンボ市内のホテルはいずれも中心部に位置し、多くの外国人観光客も利用する高級ホテル。玄関やレストランでは爆発でガラスが木っ端みじんに吹き飛んだ。「到底信じられる光景ではない。現実の風景ではない」。事件を目撃した通行者は絶句した。

 爆発による死傷者の中には外国人も含まれるとの情報もあり、日本国内の旅行会社は日本人ツアー客の安否を確認に追われた。外務省は現地に滞在する日本人に対し、サイトなどで「不要不急の外出(特に人混み)を避けるとともに、ニュースなどで関連情報の収集に努めてほしい」と呼び掛けた。

 スリランカは1983年からの内戦期にはタミル人過激派組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)によるテロ事件が続発したが、内戦終結後、大規模テロは確認されていなかった。

 治安の回復に伴い、近年は進出する日系企業が増え、130社(2016年7月時点)にのぼる。またスリランカを訪れる日本人も年々増加し、16年には約4万5千人が訪問した。これまで観光目的の滞在にもビザが必要だったが、12年から電子渡航認証システムが導入され、オンライン上で承認されればビザの取得が免除されるようになったことなどが観光客増加の主な要因となっている。

 岐阜女子大南アジア研究センターの笠井亮平特別研究員は「キリスト教徒が標的になったとみられるが、スリランカはイスラム過激派の活発な活動が報告されていたわけではない。国外の組織の関与があるかもしれない」と分析している。

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