イスラム過激派関与か 高度なテロ能力、ネットワーク解明焦点 スリランカ連続テロ

 スリランカで起きた連続テロは、キリスト教のイースター(復活祭)や外国人客が多いホテルを狙った犯行手口などから、イスラム過激派の関与が強く疑われる。「イスラム国」(IS)やアルカーイダといったテロ組織の影響を受けた過激派ネットワークが地元勢力と結びついたことで、大規模テロを実行し得た可能性もある。(前中東支局長 大内清)

 現地からの報道によると、スリランカでは事件10日前、治安機関トップが、外国情報機関からの情報提供を受け、同国のイスラム過激組織が教会を狙ったテロを計画しているとの警告を発していたという。当局は連続テロとの関連を視野に、捜査を進めているもようだ。

 国内にネットワーク

 同組織はこれまで、仏像の破壊などスリランカで多数派の仏教に対する攻撃や挑発を繰り返してきたとされる。ただ、複数箇所で大量の爆発物が使用された今回のようなテロには、実行犯の訓練・統制のほか、豊富な資金や物資、情報収集能力など、より高次元での連携が不可欠だ。

 そこで危惧されるのが、こうした地元勢力が、テロのノウハウを蓄えたISなどの外部勢力と結びついている可能性だ。シンガポールの研究機関「国際政治暴力テロリズム研究センター」のロハン・グナラトナ氏は「ISはスリランカ国内にネットワークを有している」と指摘する。

 IS残党ら拡散

 ISはすでに、米軍主導の有志連合などによる掃討作戦で、拠点だったイラクやシリアの支配領域を完全に失っている。

 しかし、中東や南・東南アジア各地にはなおISに忠誠を誓う組織が健在だ。ジハード(聖戦)の名の下に異教徒の殺(さつ)戮(りく)を正当化する思想や戦闘技術を身につけた残党がシリアなどから脱出して散らばり、各地のイスラム教徒を過激化させる“触媒”となる懸念は、以前から指摘されてきた。

 事件から丸1日以上たっても犯行声明が出ていないことから、犯行がISに連なる勢力によるものだとしても、中枢からの指令ではなく、自律的に行われたとみることもできる。

 いずれの場合でも、事件の背後に高度なテロ遂行能力を持つネットワークがあるのは間違いない。日本を含む国際社会にとっては、そうしたネットワークの広がりや資金ルートの解明が進むことが、同種事件を封じ込める上で大きな焦点となる。

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