「いたるところで血の臭い」かつての内戦を思い出す人 教会やホテルで現場検証 スリランカ連続テロ

 キリスト教の祭日「イースター」(復活祭)の穏やかな祝福ムードが暗転した。スリランカの最大都市コロンボなどで教会やホテルが狙われ、計290人が死亡した連続爆破テロ。22日、被害に遭った教会で警察の現場検証が始まった。現地では民族対立から30年近く続いたかつての内戦の惨状を思い出す人もいる。

 テロの標的の一つとなった、コロンボ北方約35キロのネゴンボにある聖セバスチャン教会。爆発の衝撃で壊れた屋根の破片が床に散乱し、空から差し込む光が祭壇のイエス像にかかった血しぶきを目立たせた。

 米CNNの取材に応じた教会関係者は「イースターを狙ったテロは、多民族・多宗教の国家、スリランカそのものへの攻撃だ」と憤った。

 この教会には郊外の村からも礼拝に訪れており、死者は多数。発生直後は大混乱に陥ったという。

 同時多発テロは、21日午前にネゴンボのほか、東部バティカロアの教会、コロンボの教会と3つの高級ホテルの6カ所で「第1波」が発生。同日午後、コロンボ近郊の動物園付近など2カ所を「第2波」が襲い、捜査を始めていた警察官にも犠牲が出た。

 爆発直後に仕事でホテル、シャングリラを訪ねたハリシャンドラさん(24)はAP通信に「宿泊客は何が起きているか分からない様子で、パニックになっていた。どこもかも血だらけだった」と話した。

 英BBC放送によると、このホテルに宿泊していたロンドン大のアラサラナム教授が避難した緊急用シェルターには、行方不明の家族を探す人のほか、治療が必要なけが人もいて、「いたるところで血の臭いがする」という。

 また2009年の終結まで30年近く続いた内戦から逃れるため英国へ移住したスリランカ出身の医師、エマヌエルさんは故郷の親戚とイースターを祝うため、爆発が起きたホテル、シナモン・グランド・コロンボに家族で滞在中だった。全員無事だったが、「妻や子供は戦争の恐ろしさを知らない。こうした恐怖を再び味わうことになったのは本当に悲しい」と嘆いた。

 事件直後からコロンボの献血センターには献血希望者の長蛇の列ができた。地元在住のアリさんは21日、救急車が何台も病院へ走るのを見て献血に訪れ、「被害者がどんな宗教を信じていようと関係ない。ここにいる人はみんなが助けたいと思っている」と話した。

 街中では、ライフルを抱えた治安部隊や爆発物探知犬が警戒にあたった。休暇でバティカロアに滞在中の男性は「道を走る車も出歩く人もいない」と話した。(平田雄介、コロンボ 岩田智雄)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ