G20サミット、要人多数で封鎖避けられず 交通量削減が急務

 大阪で開催されるG20サミットで、大阪中心部の阪神高速環状線は多数の要人移動に長期封鎖を余儀なくされる。関係者輸送をめぐっては、来年の東京五輪・パラリンピックでも首都高の料金所一部封鎖も検討されている。ただ都市の大動脈から閉め出される車が一般道へと流れる大混乱も懸念され、交通量削減が急務になっている。

 主要国のトップが一堂に会するG20サミットは絶好の外交交渉の場となる。全体会議や歓迎行事などの公式イベントに加え、個別に2カ国間の会議を開く予定で、関係者は「むしろ個別会議を主目的とする国もある」とみる。

 要人は大阪市内各地のホテルに宿泊するが、会場の国際展示場「インテックス大阪」(同市住之江区)との間だけでなく、個別会談のため、ホテル間の頻繁な移動も予想される。

 テロを防止するため、要人の移動中は同じ方向の車線に一般車がない状態にする必要がある。阪神高速によると、環状線(約10キロ)は1日の通行量は平日で約26万台にもなる主要路線。全ての車が一般道に出たことを確認するには数時間はかかるとみられる。

 また、37もの国や国際機関の要人がいつ移動するかを把握することも難しく「全面通行止めとして別の移動手段を選んでもらった方が混乱は生じない」(府警幹部)と判断された。

 東京五輪・パラリンピックでも、対策を講じなければ選手や関係者の主要輸送ルートとなる首都高の渋滞は現状の約2倍にまで悪化すると想定されており、大会組織委などは料金の上乗せや、料金所ゲートの一部封鎖も検討している。

 ただ、問題となるのは一般道の渋滞だ。昨年6月の大阪北部地震では、約5時間にわたり大阪府全域の阪神高速が通行止めとなり一般道で最大約20キロの渋滞が発生。15キロ以上の渋滞も3カ所で生じた。

 大阪府警の渋滞予測シミュレーションによると、阪神高速が閉鎖されれば、市内の主要交差点の通行量は最大2.5倍増加すると予想されている。

 混乱回避には、交通量抑制は避けられず、府警などは、目標を通常時の5割削減に設定。マイカーや業務車両の自粛、電車の利用促進、荷物の集配はサミット期間中は避けるといった協力を呼びかけている。

 一方、東京五輪・パラリンピックでも交通量抑制に力を入れる。東京都などは企業に対し、期間中の時差出勤や休暇取得、テレワークの推進を要請。本番に向けて大会1年前の今年夏に試行期間を設定して協力を呼びかける方針で、国は最大2万人規模で取り組むほか、事務方幹部の公用車での送迎も控えるという。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ