文政権版の対米“告げ口外交”振るわず 仲介の確約取れず

 【ソウル=桜井紀雄】米国務省で東アジア・太平洋地域の外交実務を担うスティルウェル次官補が就任後初めて韓国を訪れ、韓国外務省や大統領府の高官らと17日、相次ぎ会談した。スティルウェル氏は、日本政府による対韓輸出管理強化で深まった日韓対立の解決に向けて支持を表明したものの、積極的に関与する立場は示さなかった。

 訪韓に先立ち韓国では、メディアが「韓日に仲裁メッセージを出すか」と報じるなど、米側が仲裁役を果たすことを期待。韓国外務省や大統領府高官も最近、相次ぎ訪米したが、トランプ政権側から仲裁に動くとの言質を引き出せず、対米外交戦の第1幕は不発に終わったようだ。

 スティルウェル氏は17日、康京和(カンギョンファ)外相や大統領府の金鉉宗(キムヒョンジョン)国家安保室第2次長らと会談。会談した尹淳九(ユンスング)外務次官補によると、輸出管理強化についても意見交換し、スティルウェル氏は「問題解決を支援できるよう努力していく」と語ったという。記者団には「非常に深刻に受け止めている」としながらも「韓国と日本はこの敏感な問題を解決すべきで、早急に解決策を見つけることを望む」と述べ、あくまで主体は日韓だとの立場を示した。

 訪韓前には4日間、日本に滞在し、日韓対立について「仲裁する予定はない」と明言していた。ハリス駐韓米国大使も12日、韓国の国会議員に対し、「今は米国が介入すべき時期ではない」と言及したという。

 朴槿恵(パククネ)前大統領は、歴史問題で日本の不当性を外国首脳に主張して回る“告げ口外交”を展開。慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意の背後には、オバマ前政権の水面下の働きかけがあったとされる。

 これに対し、トランプ大統領は「伝統的な同盟を重視しない」とも指摘され、日韓の仲裁に積極的に動く姿勢は見えない。安倍晋三首相とトランプ氏は4、5、6月と3カ月連続で会談しており、日本が今回の措置に踏み切る前に米側に理由を説明し、十分に根回ししていただろうとの見方が韓国で支配的でもある。

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