北発射は「超大型ロケット砲」 金正恩氏は兵器開発継続を強調

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は25日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長立ち会いの下、新たに開発された「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」の初の試射が24日に行われ、成功したと報じた。北朝鮮は24日に東部、宣徳(ソンドク)付近から日本海に向けて飛翔体2発を発射。韓国軍は高度97キロで、約380キロ飛行し、短距離弾道ミサイルだったと推定していた。

 視察した金正恩氏は、3年前の8月24日に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射に「成功した」と言及。「敵対勢力の増大する軍事的脅威と圧迫を断固、制圧する戦略・戦術兵器の開発を力強く推し進めていくべきだ」と述べ、新型兵器の開発・実験を継続する姿勢を強調した。

 北朝鮮は、金正恩氏がトランプ米大統領に、米韓合同軍事演習が終わり次第、米朝協議を再開するとの意向を示しながら、実際には20日の演習終了後もステルス戦闘機の韓国配備などを問題視し、兵器実験の継続を示唆していた。

 韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決め、日米韓の安全保障協力が揺らいでいる間隙を突いて新兵器実験を重ね、国威発揚につなげるとともに、今後の交渉で米国に安保上の譲歩を迫る狙いとみられる。

 党機関紙、労働新聞は25日、大型発射管4本を備えた移動式発射台から打ち上がる飛翔体の写真などを掲載。朝鮮中央通信は「世界的に最強」「前例のない奇跡」と誇示した。北朝鮮が7月31日と今月2日に「大口径操縦放射砲」として発射した飛翔体と外観は似ているが、飛距離や高度が大きく伸び、韓国の主要軍事施設を全て射程に収めるなど、韓国への脅威は格段に高まったと分析される。

 公開された写真によると、金正恩氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長も同行した。

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