条例改正案撤回は「香港政府の決定」と行政長官強調 中国は尊重、支持と説明

 【香港=西見由章】香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は5日、記者会見し、4日に発表した「逃亡犯条例」改正案の正式撤回について、中国政府の「理解と尊重、支持」があったとした上で、決定は香港政府によるものだとの立場を強調した。同条例案の提案から完全撤回にいたる迷走は、香港への統制強化を図ろうとした習近平指導部の意向が大きく働いたとみられるが、香港政府が混乱の責任をすべて引き受けた形だ。

 記者会見では、中国政府が撤回決定に関与したかについて質問が相次いだ。林鄭氏は撤回の経緯について、過去2週間に「各界の人士」と面会した際、香港政府が市民と対話をするための「基礎」が必要だとの指摘を受け、条例案の撤回を決めたと説明した。

 今回の決定が、通信や集会の自由などを制限する「緊急状況規則条例」の発動など強硬策に向けた布石だとの見方については、そうした「憶測」は不正確だと反論した。

 ただ林鄭氏は8月に開いた香港の実業家グループとの非公式会合で、香港情勢は米国がからむ「安全保障や主権に関わる問題」となり、自身が解決する余地は「非常に限られている」と説明したことが、録音を入手したロイター通信により暴露された。同氏は中国政府と香港市民との板挟みの苦悩を明かしたとされる。

 中国共産党中央政法委員会は4日、香港政府による条例改正案の撤回が香港市民への「最大の誠意」を示すものだと言及する記事を通信アプリに掲載した。

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