トランプ氏、タリバンと米国で秘密協議図る 米兵殺害を理由に取りやめ 和平協議も中止

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は7日、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンとガニ同国大統領をそれぞれワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドに招き、8日に秘密会談を行う予定だったとツイッターで明らかにした。ただ、タリバンが5日のテロ攻撃で米兵らを殺害したため会談をとりやめ、和平協議も中止したとしている。

 タリバンは、トランプ政権と和平で「原則合意」したとされる2日以降もテロ攻撃の手を緩めず、5日の首都カブールでの自爆テロでは米兵1人を含む12人が死亡した。アフガン駐留米兵の死者は今年16人目。また、米国内では和平合意の内容についても内戦終結の実現には程遠い内容だとして強い批判が出ていた。

 トランプ氏によると、タリバン指導部とガニ氏は7日に訪米するはずだった。トランプ氏は「タリバンは(和平協議をにらみ)間違った方法で影響力を構築しようとしてカブールで攻撃に踏み切った」と指摘し、「交渉での立場を優位にしようとして多数の人々を殺害するとは、何という連中だ」と非難した。

 トランプ氏はその上で、「重要な和平協議の期間中に停戦に同意できないのなら、意味のある合意に向けて交渉することなど無理だろう」と突き放した。

 一方、トランプ氏がタリバン指導部を米国に招いたことについては、「米中枢同時テロを非難せず、邪悪な行為を続けるテロ組織の指導者に決して米国の土を踏ませてはならない」(キンジンガー共和党下院議員)などと超党派で批判の声が上がっている。

 また、トランプ氏がこのタイミングで和平協議の中止を表明したのは、現在までのタリバンとの和平合意の内容がアフガン情勢の改善につながらないことを悟り、5日の米兵殺害を協議打ち切りの口実にしたとの見方も出ている。

 和平案は、駐留米軍1万4千人規模のうち約5400人を和平合意後135日以内に撤収させることを明記した。米誌タイムなどによると、タリバンには撤収の前提条件として「アフガン政府との和平交渉の開始」「米軍展開地域の周辺での暴力行為の抑制」「アルカーイダなど外国武装勢力との絶縁」の3点の実行を求めている。

 ただ、タリバンはアルカーイダとの絶縁を明確に約束していないとされるほか、和平案は、パキスタン国内でタリバンが構築した秘密拠点の扱いに言及していないなど数々の欠陥が指摘されている。

 ポンペオ国務長官は8日、CNNテレビの番組で「米国は引き続き和平合意に関心を抱いている」としつつ、「タリバンが行儀良く振る舞おうとしないのであれば、米国は圧力を加え続ける」と警告した。

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