文大統領「原則守る」 疑惑の側近を法相に任命強行

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、法相に指名していたチョ・グク前民情首席秘書官(54)を正式に任命した。チョ氏をめぐっては娘の大学不正入学疑惑などが浮上し、大学教授である妻が私文書偽造の罪で6日に在宅起訴されたばかり。反対世論を押し切った事実上の任命強行で、波紋を広げている。

 チョ氏は法相への適性を審査する6日の国会の人事聴聞会で自身の疑惑への関与を全面否定したが、その後も「説明は不十分」との批判が続いている。

 任命に際し文氏は、チョ氏への疑惑提起が多かったことを認めつつも「原則と一貫性を守ることが、より重要だと思った」と強調。さらに、「聴聞会を終え条件を全て備えた状態で、本人の明白な違法行為が確認されずに疑惑だけで任命しなければ、悪い先例になる」と判断の理由を説明した。

 文氏は「大統領選の際、権力機関の改革が最重要公約の一つだった」とした上で、「その仕上げをチョ法相に任せる」としチョ法相下での検察改革実現に期待を示した。しかし、チョ氏の任命に反対する世論は賛成を上回っており、検察が捜査を進める中での任命強行に、野党は強く反発している。

 文在寅政権は11月に5年の任期の折り返し点を迎える。来年春には総選挙が控えており、チョ氏の任命が今後の支持に及ぼす影響が注目される。

 文氏はこのほか、崔起栄(チェ・キヨン)科学技術情報通信相や李貞玉(イ・ジョンオク)女性家族相ら5閣僚も任命した。

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