英、EU離脱延期法が成立 女王が裁可

 【ロンドン=板東和正】英国のエリザベス女王は9日、欧州連合(EU)からの離脱延期を求める野党法案を裁可し、同法は成立した。ジョンソン首相は解散総選挙の前倒しを求める動議を下院に再提案する方針。総選挙での与党・保守党の勝利を経て、法の撤回を図る構えだ。だが、野党の大半が動議に賛成しない方針で、否決される可能性が高い。10月末の離脱を公約するジョンソン政権は追い詰められつつある。

 離脱延期法は、10月19日までにEUとの新たな離脱協定案が議会で承認されない場合、来年1月末までの期限延期をEUに求めるようジョンソン氏に義務づける内容。上下両院で可決され、9日に裁可を得た。

 ジョンソン氏は同日、4日に否決された総選挙の前倒しを求める動議を英下院に再び提案する予定だ。動議は、本来なら2022年に行われる総選挙を10月15日に実施することを求める。保守党は支持率で最大野党・労働党に10ポイントの差をつけており、ジョンソン氏は総選挙で保守党が過半数を確保し、法案の撤回が可能と見込んでいる。

 だが、ジョンソン氏の思惑に気づいた労働党などの野党は6日、動議に賛成しないと決定した。動議の可決には、英下院の3分の2以上の賛成が必要で、過半数の議席を持つ野党勢力の大半が賛成しなければ可決は難しい。ジョンソン氏はそれでも離脱延期の回避を諦めないとみられ、着地点が見えないまま情勢は混沌(こんとん)としている。

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