北がまた飛翔体2発を発射、米には「今月下旬に包括的討議」表明

 【ソウル=桜井紀雄、ワシントン=黒瀬悦成】韓国軍合同参謀本部は10日、北朝鮮が同日午前6時53分と7時12分ごろ(日本時間同)、西部の内陸にある平安南道(ピョンアンナムド)价川(ケチョン)付近から東に向けて飛翔体2発を発射したと明らかにした。最大飛距離は約330キロと探知したという。短距離弾道ミサイルなど北朝鮮による飛翔体の発射は8月24日以来で、今年に入って10回目。

 北朝鮮の朝鮮中央通信によると、崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は9日夜に発表した談話で米国に対し、今月下旬ごろに「包括的な討議」に応じる用意があると表明した。時間と場所は今後決めるとしている。「われわれが受け入れ可能な計算法に基づく代案を米側が持ってくると信じたい」とも強調。米側が「古びたシナリオ」で臨むなら「朝米間の取引は幕を下ろすことにもなり得る」と警告した。

 これに対し、トランプ米大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に「どうなるか様子を見よう。会談をするのは良いことで、悪いことではない」と語った。

 北朝鮮は8月の米韓合同軍事演習に反発してミサイルなどの発射を繰り返し、演習終了後も、新兵器の開発・実験を継続する意思を示してきた。トランプ氏が短距離弾道ミサイル実験を容認する姿勢を保つ中、ミサイルなどの試射を常態化させた上で、対米協議に臨み、安全保障上の譲歩を引き出す狙いもありそうだ。

 日本政府によると、日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への飛来は確認されていない。菅義偉官房長官は10日、「米国などと緊密に連携しており、情報の収集・分析に全力を挙げていきたい」と述べた。

 韓国軍は、北朝鮮が「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」として8月24日に発射した事実上の新型短距離弾道ミサイルと同種の可能性があるとみている。今回、陸地を横断するコースを取っており、発射精度を向上させた可能性もある。

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