「中国、台湾周辺を封鎖可能」 台湾・国防報告書 米国との連携強調

 【台北=田中靖人】台湾の国防部(国防省に相当)は12日までに、2年に1度の「国防報告書」を公表した。前回と比べ、インド太平洋地域で台湾が果たす役割を強調して米国との連携に自信を示す一方、中国が軍備増強により台湾周辺の海・空域を封鎖する能力を獲得したと初めて分析した。

 報告書は、第1列島線の中央にある台湾は「(米国の)インド太平洋戦略の地政学的な枢要に位置し、自由と民主主義の価値と理念を守る最前線にある」と指摘。米議会での支持や直近のトランプ政権による武器売却を列挙した上で、米国とは情報交換や教育訓練などの分野で、昨年から今年8月の間に、延べ2700人以上の人的往来があったと明記した。

 一方、中国の軍事戦略は2017年の第19回党大会以降、「受動的な反撃」から「先制攻撃」に向かっていると指摘。台湾への上陸侵攻能力は前回と同様、離島を奪う能力にとどまるとしながらも、台湾海峡対岸への対艦・対空ミサイルの配備などにより、「台湾周辺の海・空域の封鎖作戦能力をすでに備えている」と分析した。

 具体的な装備面では、中距離弾道ミサイル「東風(DF)26」には核弾頭搭載のA型と対艦攻撃用のB型があると分類し、DF26や轟(H)6爆撃機搭載の対地巡航ミサイルは、第2列島線を超える地域まで攻撃可能で、「地域の米軍の直接の脅威となっている」と指摘した。

 中国の侵攻に対する台湾側の防衛構想は前回同様の「近海決戦、海岸殲滅(せんめつ)」としながらも、作戦目標を「敵の台湾(本島)を奪う任務を失敗させること」と明記した。

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