香港の地下鉄駅に「消えた3人」の祭壇…当局への不信なお

 【香港=田中靖人】香港・九竜地区の地下鉄、太子(プリンス・エドワード)駅構内で8月31日深夜に発生した警察によるデモ隊の排除で、デモ側に死者が出たと信じる人々が駅出入り口に設けられた「祭壇」に連日、「慰霊」に訪れている。「真相究明」を求められた警察・消防は9月11、12両日の記者会見で、死者はいなかったとの調査結果を説明したが、不信は解消されていない。

 問題のきっかけは、消防当局が当日から9月1日未明にかけ、重傷者を含む負傷者の発表数を10人から7人に訂正したことだ。これを受け「3人の死亡を隠蔽(いんぺい)した」との説が広まった。11日には消防の通話記録を入手した民主派の立法会(議会)議員が「1時間で3回も負傷者数を変えている」と疑問を呈した。

 地元紙によると、消防当局は12日、警察が駅を封鎖し消防隊員の立ち入りをいったん拒否したため到着が遅れたことなどの過失は認めたが、人数の訂正は現場の混乱や負傷者の移動が原因だと説明。会見は2時間半に及んだ。

 具体的な「死者」の名前や遺族が名乗り出たとの情報はないものの、会見後の12日夜にも駅の祭壇に若者ら約100人が集まり、線香をあげるなどしていた。中には大声で泣く人や隣接する警察署にレーザーポインターを当てて「警察出てこい」と叫ぶ人もいた。

 花を手向けに訪れた教育関係の仕事に就いている王暁瑩(おう・ぎょうえい)さん(34)は「警察はこれまでも虚偽の説明をしてきた。公開された証拠も少なく、死者がいないとは絶対に信じられない」と話した。

 香港では13日夜、計10大学の学生会組織が香港政府に「5大要求」の回答を求めた期限を迎える。同組織は2日から授業ボイコットを呼びかけており、回答がない場合、「さらなる行動を検討する」としている。

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