対中、移民、銃…安定のバイデン氏が「勝者」 米民主党討論会 

 【ヒューストン=上塚真由】来年11月の米大統領選をめぐり、野党・民主党は12日、第3回候補者討論会を南部テキサス州ヒューストンで開いた。過去2回よりも参加条件が厳しくなり、登壇者は半数に絞られて10人。党指名候補を決める予備選・党員集会の開始を来年2月に控え、候補者らは米中の通商問題や不法移民、銃規制など幅広いテーマで激論を交わした。

 10人の候補者で注目されたのは、世論調査で支持率1位を維持するバイデン前副大統領、同氏を追いかける急進左派のウォーレン、サンダース両上院議員の3人。討論会では終始、首位のバイデン氏が論戦を仕掛けられる展開となった。

 中国との貿易問題では「全く戦略的ではない」(ブティジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長)などとトランプ米大統領への非難一色に。そんな中、サンダース氏は米国に貿易赤字をもたらした自由貿易に批判的な立場から「ジョー(バイデン氏)と私は貿易に関して全く違う意見だ」と切り出し、オバマ前政権で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を推進したバイデン氏に矛先を向けた。

 これに対し、バイデン氏は「中国との実際の問題は貿易赤字ではなく、中国が知的財産を盗み、世界貿易機関(WTO)の協定違反をしていることにある」と述べるとともに「中国の不正を止めるには、世界が組織的に立ち向かう必要がある」と強調。制裁関税の発動などトランプ氏が進める対中強硬政策とは距離を置きつつ、中国への厳しい姿勢をアピールした形だ。

 不法移民問題では、司会者が、オバマ前政権でも現政権と同様に大量の不法移民を国外退去処分にしたと指摘。バイデン氏は「オバマ氏とトランプ氏を比べるのはとんでもない。われわれは人々をおりに閉じ込めなかったし、家族を引き離さなかった」と反論し、立場の違いを訴えた。

 またテキサス州エルパソで先月22人が死亡した銃乱射事件を受けて、各候補は銃規制強化が必要だと強調した。ただ、殺傷能力の高い半自動小銃などを大統領令で禁止すべきだと主張するハリス上院議員に対し、バイデン氏は憲法違反になると反対。ハリス氏は、オバマ氏の選挙スローガンを引き合いに「イエス・ウィー・キャン(私たちにはできる)と言いましょう」とバイデン氏に詰め寄った。

 バイデン氏も防戦一方ではなく、医療保険制度改革をめぐり、ウォーレン、サンダース両氏が提唱する「国民皆保険」について両氏が具体的な財源を示していないと追及した。

 6月の第1回討論会では消極的な姿勢で支持率を落としたバイデン氏だが、この日は安定した論戦を展開し、CNNテレビが「勝者」とするなど米メディアで高評価が目立った。

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