米財務省、北朝鮮のハッカー集団を制裁指定

 【ワシントン=黒瀬悦成】米財務省は13日、北朝鮮による世界各地の重要インフラに対するサイバー攻撃を実行したとして、北朝鮮の対外情報工作機関「軍偵察総局」の管理下にある「ラザルス」など3つのハッカー集団を独自の制裁対象に指定した。

 トランプ政権の北朝鮮政策をめぐっては、対北強硬派のボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の更迭により軟化が懸念されている。今回の制裁指定は、政権として引き続き対北圧力を維持していくことを明確に打ち出す狙いがあるとみられる。

 ラザルスのほかに制裁指定されたのは、同集団の傘下にある「ブルーノロフ」と「アンダリエル」。米国内の資産が凍結されるほか、米国人との取引が禁止される。これらの集団と取引を行った者も制裁指定される可能性がある。

 ラザルスは2017年、企業や個人パソコンに侵入して身代金を要求するランサムウェア「ワナクライ2・0」を使って世界約150カ国のコンピューターに攻撃を仕掛けた。

 14年には、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の暗殺を扱った喜劇映画を製作した米映画会社「ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント」に対するサイバー攻撃を実行した。

 また、ブルーノロフはラザルスとともにバングラデシュ中央銀行から約8千万ドル(約86億円)を盗み出すなど、各地の金融機関から総額8億5100万ドルを不正に取得した。

 アンダリエルは、闇市場に売り渡す目的で銀行の顧客の情報を窃取したり、韓国軍の情報を盗むため16年に当時の韓国国防相の執務室のコンピューターに侵入するなどした。

 マンデルカー財務次官は声明で「サイバー攻撃によって違法な兵器・ミサイル開発計画を支えている北朝鮮のハッカー集団への対策を講じた」とした上で、「北朝鮮に米国と国連による既存の制裁を履行し続ける」と強調した。

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