米5G戦略、ソフト開発で巻き返し ファーウェイとZTE「安保上の脅威」と認定

 もっとも、世界の5G機器(ハードウエア)市場ではファーウェイが優勢だ。スマートフォンなどの端末とのデータ送受信を担う「RAN」と呼ばれる中核機器で、同社の世界シェアは31%と首位(2018年第1四半期)。後続はエリクソン(29%)やノキア(23%)の北欧勢で、米国メーカーは存在感が薄い。

ソフトウエアに活路

 米政府が友好国に求める中国製ハードの排除が思うように進まない中、米当局からは、本格化しつつあるソフトウエア開発で巻き返しを期すべきだとの意見が盛んに出ている。

 現行の4Gでは、基地局と端末間でデータをやりとりするソフトの「仕様」は、主要機器メーカーごとに決まっていた。これに対し、5Gでは仕様を「オープン化」して、どのメーカーでも参入できるようにする取り組みが進んでいる。このため、ソフト開発の強化を通じて、5Gのシステム構築で主導権を握ることを狙う-というわけだ。

 FCCのローゼンウォーセル委員は11月の会合で、5GのRANのソフトウエア開発を米国が主導できれば、「(5G)機器の将来(の競争力)を、米国がもっとも強みとするソフトや半導体といった分野に託すことができる」と指摘した。

 米国土安全保障省でサイバーセキュリティーを統括するクレーブス氏も、10月末の上院公聴会で、5GのRANに関する研究開発(R&D)投資を重視する方針を表明。ハードでの劣勢をソフトで挽回する方向性を打ち出した。

 ただ、中国はハード面だけでなく、5Gに関連した「標準必須特許」の取得でも先行している。

 また、ソフトウエアの研究開発に活路を見いだそうとするトランプ政権の最近の動向は、国土安保省やFCCなど関連当局が独自に進めるもので、省庁を横断した統一的な政策とはなっておらず、米専門家からは実効性に懸念の声も出ている。

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