ゴーン被告、日本メディアを大半制限 会場周辺に報道陣多数

 【ベイルート=佐藤貴生】保釈中に逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)=会社法違反などの罪で起訴=が記者会見を行ったレバノンの首都ベイルートの会場周辺は、8日午後、会見開始の数時間前から日本やフランスなど多数の海外報道陣が集まった。

 冷たい雨が降りしきる中、カメラマンはゴーン被告が会場入りする姿を逃すまいと、車がとまる度に押し寄せていた。また、フランスのテレビ局は会場前で中継のリハーサルを繰り返すなど、フランスでも被告に対する関心度が高いことをうかがわせた。

 会場前で中継の準備をしていたフランス・メディアの男性記者(42)は「フランスでは日産を著名企業に押し上げたことへの尊敬と、高額すぎる給料をとっていたことへの批判で、評価は二分されている。多くの人はニュースなどを通じ、彼は有罪だと感じていると思うが、判決が出る前から妻と会うことが許されないということは考えられないことだ」と述べた。

 会場前では、リストを持った係員の女性がそれぞれのメディアに対し、入場の可否を告げていた。日本のメディアは大半が入場できなかったもようだ。あるレバノン政府関係者は「ゴーン被告は批判的な質問をされるのを恐れて、日本のメディアを厳しく制限したのではないか」と話した。

 ゴーン被告が会見場に入ったことが分かると、入場が許されなかった邦人記者らが携帯電話でユーチューブを通じ、建物内で始まった生中継に耳をそばだてる姿が見られた。会見が始まっても、多くの報道陣はその場に居続けた。

 会見開始当初、両手を演台について話していたゴーン被告は徐々に身ぶり手ぶりが大きくなり、映し出された資料を指さす際には、スクリーンの前に出て映像を自ら遮ったりもした。

 寒空の中、帰ろうとしない報道陣に対し、会見場に隣接する会社の職員とみられる男性が温かい紅茶をふるまう一幕もあった。

 現場で取材していたデンマークのラジオの女性記者(26)は「日本はレバノン同様に小さい国なのに、これほど多くの報道陣が来ていて驚いた」と話した。記者(佐藤)が日本メディアは会見への参加を制限され、大半が入れなかったと話すと、「自分が話したいことが邪魔されるから、嫌がったのではないか」と語った。

 また、レバノン政府を批判しているという国内の女性活動家(23)は記者に近づいてきて、「この国はもともと汚職にまみれている。ゴーン被告のような人物は必要ないとぜひ書いてほしい」と被告の逃亡を批判した。

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