トランプ大統領 イラン全面対決は回避の意向「軍事力行使したくない」 追加経済制裁発表

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は8日、イラン革命防衛隊司令官の殺害に対するイランの報復攻撃を受け、ホワイトハウスで声明を発表した。トランプ氏は「私が合衆国大統領でいる限り、イランは決して核保有を許されない」と述べる一方、「米国は軍事力を行使したくない」と語り、軍事的緊張をエスカレートさせることに否定的な意向も示した。

 トランプ氏は、イランの報復攻撃への対抗措置として「引き続き複数の選択肢を検討中だ」とした上で「米国はイラン体制に過酷な追加的経済制裁を直ちに科す」と発表した。

 トランプ氏はまた「(イラン革命の)1979年以降、各国はイランの中東および他の地域での破壊的かつ撹乱(かくらん)的な行動を許容してきたが、そのような日々は終わった」と強調。一連の制裁措置は、イランが核計画を放棄し外国テロ組織の支援を停止するなど「態度を改めるまで維持される」と表明した。

 さらに、「イランは(態度を)後退させたようだ。全ての当事者と世界にとって良いことだ」と述べ、イランには米国と全面対決する意思はないとの認識を明らかにした。

 FOXニュースが米高官の話として伝えたところでは、米国とイランは攻撃直後、米国の利益代表を務めるスイスを通じ、これ以上の相互攻撃を回避する趣旨の書簡を交わした。

 また、複数の米当局者がロイター通信に語ったところでは、イランはミサイル攻撃に際し人的被害が出ないよう配慮して撃ち込んだとみられるとしている。

 イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことに関しトランプ氏は「命が惜しければ米国人の命を脅かすな、という強力なメッセージをテロリストたちに送った」と強調した。

 トランプ氏は一方で、イラン核合意の参加国である英独仏露中の5カ国に対し「核合意から離脱し、世界がより安全で平和になる合意に向けて共に取り組もう」と述べ、イランの完全核放棄とテロ支援停止を盛り込んだ新たな合意を目指すべきだと呼びかけた。

 また、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)について「イランにとっても天敵だ」とし、米国とイランはIS掃討などで連携可能だと指摘。イラン国民と指導部に対し「国が繁栄し、世界と調和した素晴らしい未来を迎えることを望む」とも語るなど、関係改善の用意があるとの立場を打ち出した。

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