「イランは引き下がる」トランプ氏の読み的中 力による平和、再選追い風にも

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領が8日、イランによる米軍基地攻撃に対する軍事報復を見送ったのは、イランが米権益に実質的な被害を及ぼす攻撃を仕掛けてこなかったためだ。「体制維持」を最優先に掲げるイランは米国との正面対決を回避してくる、とのトランプ政権の読みが的中したといえ、11月の大統領選でのトランプ氏再選に向けた追い風にもなりそうだ。

 米軍がイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したのを受け、イランは8日、イラクの米軍基地2カ所を報復攻撃した。この際、米軍将兵に犠牲が出ないよう細心の注意が払われた、との見方が強まっている。

 イランを自制させ緊張緩和への道が開いた最大の要因は、レーガン元大統領が唱えた「力による平和」を信奉するトランプ氏が、米国民の生命および米権益を侵害する者は決して許さないとする「レッドライン(越えてはならない一線)」をイラン指導部に明確に提示したことだ。

 議会ではソレイマニ司令官殺害に関し、野党の民主党から「米国を新たな戦争に引きずり込む愚行だ」などの批判が出ていた。しかし、トランプ氏がイランによる実害の出るような報復を食い止め、逆にイランに対して対テロ掃討で共闘を呼びかけるなど緊張緩和の意思を示したことで、民主党は批判の矛先を見失う形となった。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ