原因めぐり真っ向対立 ウクライナ機墜落 米イラン対立で解明長期化も

 【カイロ=佐藤貴生】イランで起きたウクライナ旅客機の墜落をめぐり、欧米がイラン側による「誤射」との見方を強めたのに対し、イランは撃墜を全面否定、海外の調査団を受け入れる姿勢を示した。米イランの緊張が高まる中で起きた問題だけに調査が円滑に進むかは見通せず、実態解明には時間を要しそうだ。

 イラン政府は10日に発表した声明で、墜落機の所有会社があるウクライナ、製造元の米ボーイング社、エンジンの製造元フランスは調査に参加する権利があるとする一方、米政府については「虚偽を述べて心理作戦を展開する代わりに(調査の)結果を注視すべきだ」と述べた。

 イランはこれに先立ち、米運輸安全委員会(NTSB)に調査に加わるよう求めたと報じられていた。

 墜落の原因解明に決定的な役割を果たす墜落機のブラックボックスはイラン側が回収しているが、ロイター通信によるとイラン側は10日、自ら解析する意向を示し、ロシアやフランスに支援を求める可能性を示したと伝えた。解析には1~2カ月かかるとしている。

 撃墜は「あり得ない」と主張するイランは、旅客機は技術的トラブルで空港に引き返そうとしたが墜落したと説明している。

 一般に首都の空港は防衛拠点の一つである上、イランはウクライナ機墜落の約5時間前にイラクの米軍駐留基地にミサイルを発射しており、米軍の反撃に備えて最高度の警戒態勢を取っていたとみられる。

 ロイターは識者の話として、墜落機をレーダーが感知した場合、米軍の輸送機に似ていると認識する可能性があると伝えた。また、イランは2000年代中盤、レーダーと連動する短距離防空システム「トール」をロシアから購入しており、これが使われたとすれば発射後進路を変えることはできないとしている。

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