台湾に学べ! 中国系企業に浸透され放題の日本政界にこそ「反浸透法」が必要

【有本香の以読制毒】

 台湾総統選(11日投開票)で、感動的な勝利を収めて再選された蔡英文総統がさっそく動き始めた。台湾総統府は15日、昨年末に立法院(台湾の国会)で可決された「反浸透法」の施行を発表、蔡氏は自身のツイッターで次のように所感を表明した。

 「本日、私は台湾の民主制を守る上での極めて重要な一歩である『反浸透法』に署名しました。繰り返しますが、私たちは中国との交流に反対しているのではありません。わが国の民主主義プロセスに、中国が干渉することに反対しているのです」

 反浸透法とは、中国を念頭に置いた国外の「敵対勢力」による選挙運動やロビー活動、政治献金、社会秩序の破壊、選挙に関連した虚偽情報の拡散などの活動を禁止する法律だ。違反した者には「5年以下の懲役および約3600万円以下の罰金」が科される。

 このツイートには、やや横向きで厳しい表情の蔡氏の写真が付されている。普段、SNSやネット動画で蔡氏が見せる気さくな笑顔とは打って変わって、台湾の運命を背負う、厳しい「総統の貌(かお)」が写し出されている。

 これと前後して、蔡氏は英BBCの単独取材に応じ、「われわれはすでに独立主権国家あり、この国を中華民国、台湾と呼んでいる」「われわれには異なるアイデンティティーがある。この国は私たちのもの。中国は台湾を尊重すべきだ」「台湾を侵略すれば、中国は非常に大きな代償を払うことになるだろう」と発言した。

 エスカレーションを避けるため、慎重な物言いに終止した1期目とこれまた打って変わって、闘う姿勢を前面に打ち出し始めたのだ。まさに「君子は豹変(ひょうへん)す」を予感させる一幕だ。

 余談だが、蔡氏のSNSやネット動画使いは実に巧みである。言葉や画像の選び方、映像のテーマ選び・編集が「国民に刺さる」ものになっている。さらに、自国語以外の英語、日本語などを交え、しかも単なる翻訳でない、相手と時機を的確に捉えた発信がされている。

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