カナダに難題のファーウェイ 5G機器排除と孟被告をどうする

 【ワシントン=塩原永久】中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が米国と中国によるハイテク覇権争いの焦点となり、カナダが難しい対応を迫られている。米国は同盟国に第5世代(5G)移動通信システムから中国製機器を排除するよう要求。カナダ政府は近くファーウェイ締め出しの可否を判断する見通しだが、同社の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟(もう・ばんしゅう)被告の扱いをめぐって別の難題を背負った形となっている。

 孟被告が2018年末にカナダで拘束されて以降、中国はカナダ元外交官らを拘束し、カナダ企業による菜種油の対中輸出許可を保留するなど、「報復」(カナダメディア)とみられる対抗策に出てきた。

 これを受けてカナダ国内では、野党・保守党を中心に、貿易を軸に関係強化を続けてきた対中政策のあり方を問う声が出ている。

 トランプ米大統領は中国との貿易協議で、ファーウェイへの禁輸措置を交渉材料とする考えを示したことがある。だが議会からの批判を背景に、今月署名した「第1段階」の貿易合意で同社の問題は扱わなかった。中国製機器の国際市場からの締め出しは、合意後も継続するとみられる。

 機密情報漏洩(ろうえい)の恐れを理由に、5G通信網からのファーウェイ排除を求める米国に対し、英国やドイツは、安価な同社製機器の完全排除に慎重だ。排除する方針の日本やオーストラリアとは対応が割れている。

 米国と機密情報を共有する5カ国の枠組み「ファイブアイズ」の一角であるカナダは、機器導入の判断を「近く下す」(地元紙)見通しだ。米中の板挟みとなった欧州諸国の動向をにらみながら方針を練ってきたとされ、困難な決断を迫られている。

 中国は欧州へのファーウェイ製品浸透を図り、米国と欧州の米同盟国との間にくさびを打ち込む動きを強めてきた。孟被告の米司法当局への引き渡しをめぐっても、カナダへの圧力を強める公算が大きい。引き渡しを認めるかの審理は長期化も予想され、カナダの対中外交を一段と複雑にする要因となりそうだ。

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