プーチン大統領「改憲は実権維持のためではない」 批判的世論を考慮か

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は4日、憲法改正を提案した理由について、「(2024年の大統領退任後に)自分の実権を維持するためではない」と述べた。露国内では、プーチン氏は退任後も実権を保持するために改憲を提案したとの見方が支配的だ。改憲の是非を問う国民投票の実施に向け、プーチン体制の永続化を懸念する一部世論を考慮した発言とみられる。

 露西部チェレポベツで行った地域の社会団体代表者らとの会合での発言を、イタル・タス通信が伝えた。

 プーチン氏は改憲を提案した理由について、統治システム上の中央政府と地方自治体の一体性を強化するためだと説明。他の改憲内容も同様に国益のためだとし、退任後に実権を維持するためではないとした。

 プーチン氏が1月15日に提案した改憲案の主な内容は、大統領の権限縮小や議会の権限強化など。現行憲法の規定上、24年に退任することになるプーチン氏は、改憲による権力構造の変更に伴い、退任後も影響力を維持できる余地が広がると指摘されている。

 改憲案を受け、露独立系調査機関「レバダ・センター」は1月下旬、「プーチン氏は何のために改憲を提案したと思うか」と問う世論調査を実施。「自分の利益のため」との回答(47%)と、「国民の利益のため」(44%)との回答が拮抗(きっこう)し、国民もプーチン氏の真意を測りかねている実情が浮かび上がった。

 退任後のプーチン氏に望む役職に関する質問では、回答者の約6割が「プーチン氏は国の何らかの重要ポストに残るべきだ」とした一方、約3割は「権力の座から離れるべきだ」と回答。プーチン体制の長期化に拒否感を持つ一定の世論の存在が判明した。

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