一般教書演説 米中合意「革新的」 新型肺炎では中国と協力

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は4日の一般教書演説で、中国との「第1段階」の貿易協定が「米国労働者と知的財産権を守る革新的な合意」となったと語った。大統領選再選のカギとなる製造業や農業の支持固めに向け、約1年8カ月にわたる米中協議の成果を強調。新型コロナウイルスによる肺炎拡大をめぐっては中国との良好な関係もアピールした。

 トランプ氏は演説で、米国民を搾取する不公正な貿易の是正が「(前回)大統領選に出馬した唯一最大の動機だ」と語った。そのうえで、カナダやメキシコと結ぶ北米自由貿易協定(NAFTA)の改定合意や、対中協議の妥結で「公約を守った」と強調した。

 さらに、中国に対抗する制裁関税で譲歩を引き出したとして、「戦略は機能した」と指摘。関税を駆使する交渉手法を擁護した。

 また、中国の習近平国家主席と「最高の関係」を築いたと主張。新型肺炎の対応で「中国政府と力を合わせている」と指摘し、米国民の感染防止に「必要な手段をすべてとる」とした。

 一方、1月中旬に署名した第1段階協定には「即座に第2段階の協議に入るべきだ」(米商工会議所)などと注文がついている。協定が中国に農産物などの米国産品を大量購入させることを優先し、産業補助金撤廃や国有企業改革といった問題を「第2段階」以降の協議に先送りしたためだ。

 米農家や産業界は、中国による報復関税の痛みを受け続けている。米中が互いにすべての追加関税を撤廃する前提となる、第2段階の早期合意を求める声が根強い。米景気は底堅いが、まだ9カ月を残す大統領選本番までに、関税による輸入品の値上げで消費が冷え込む「負の連鎖」が起きれば、トランプ氏の再選戦略が暗転する恐れもある。

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