米予算教書発表 中国にらみ国防費増を確保 本格検討は大統領選後

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権は10日、2021会計年度(20年10月~21年9月)の予算教書を発表した。歳出要求額は前年度比0・8%増の4兆8290億ドル(約530兆円)。低所得者向けの社会保障給付を縮小する一方、中国やロシアの脅威を見据えて国防費の増額を確保した。大型減税で悪化した財政の再建にも配慮しているが、財政赤字解消は35年度まで持ち越す。

 今回は政権1期目の最後の予算教書となった。メキシコ国境の「壁」建設予算に20億ドルを要求するなど、11月の大統領選をにらむトランプ氏が支持を訴える予算項目も盛り込まれた。

 処方薬価の改定やメディケイド(低所得者向け医療保険)などの社会保障給付を圧縮し、今後10年で4兆6千億ドルの収支改善を目指す。その結果、35年度までに単年度ベースで財政赤字を解消させるとした。

 環境保護局(EPA)の予算や、主に国務省が扱う対外援助も大幅に減らす。

 21年度の歳入は4・2%増の3兆8630億ドルを見込んだ。20年度に1兆ドルを超えた財政赤字を、21年度には9660億ドルにまで引き下げる。ただし予算教書は21年度の実質経済成長率を3・1%増と予測。大幅な税収増を見込む楽観的な見通しを前提としており、実現するかは不透明だ。

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