【外信コラム】またしても黒人が警官に射殺 「暴動」と言ってはダメ?

 米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで、またしても黒人が警官に射殺されたのを機に暴徒による放火や略奪が起きている。

 こうした事態について、日本のメディアで使われる表現の常套(じょうとう)句は「警察に抗議するデモの一部が暴徒化し…」というものだ。

 ただ、こうした「デモ」のほとんどは、黒人差別解消を求める社会運動に名を借りた、極左系を中心とする過激勢力が扇動する「暴動」に他ならない。

 一方、米国を代表する通信社のAP通信は今月、同社が発行する記事執筆の書式や用語に関する新聞業界向けのガイドブック「APスタイルブック」に関し、「暴動」という言葉を使わず「社会不安」などと言い換えるのを推奨するとの指針を追加し、米メディアの間で波紋を呼んだ。

 言い換えの理由についてAPは「一連の現象を『暴動』と呼ぶことは、人種的不公正の解消に取り組んでいる人々に汚名を着せることになる」と説明する。

 差別の解消などを求める人々が街頭で平和的デモを行うのは当然の権利だ。

 しかし、それとは別に特定の勢力が「社会的正義」を隠れみのにして仕掛ける暴動の本質を捉えないAPの指針は、差別反対などの大義名分さえあれば何をしても構わないとの誤った通念をはびこらせないだろうか。(黒瀬悦成「ポトマック通信」)

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