EU、医療崩壊阻止に全力 患者越境搬送に270億円

 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は29日、首脳会議を開催し、新型コロナウイルス流行による医療崩壊を防ぐため、加盟国間の患者搬送に2億2千万ユーロ(約270億円)を拠出することを決めた。EUと英国では感染による死者数が計21万人を超え、「第2波」への危機感が強まっている。

 首脳会議はオンライン形式で行われた。フォンデアライエン欧州委員長は会議後の記者会見で、入院患者や死者数が増え続けているとして「緊急に対応しなければ、医療体制が圧倒されてしまう」と訴えた。

 患者移送は「第1波」が広がった今春、各地で集中治療室(ICU)の病床が払底した経験を踏まえたもの。フランスやイタリアの地方都市から、ICU病床に比較的余裕のあるドイツに空路で患者が移送された。第2波でも今月、オランダからドイツへの患者移送が始まった。

 首脳会議はまた、抗原検査を拡充させることを決めた。PCR検査より精度は劣るが、20分程度で結果が出る。EUレベルで感染者を追跡するため、各加盟国が導入している携帯電話のアプリを連動させる方針でも一致した。

 欧州では30日、フランスが外出禁止令を施行。アイルランドでは先週、全国で外出自粛措置がとられ、スペインが夜間外出を禁止するなど、都市封鎖の動きが広がる。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、ICUの患者収容率の急増に警鐘を鳴らしている。

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