米台経済対話、トランプ氏と親密な蔡政権、バイデン政権がどこまで継承するか

 【台北=矢板明夫】台湾の呉●(=刊の干を金に)燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)は21日、米台の経済対話について「台米関係の重要なマイルストーン(里程標)だ」と述べた。対話にオンラインで参加した王美花経済部長(経産相)や●(=登におおざと)振中政務委員(無任所大臣)らと記者会見した。

 中国の政治圧力で国際社会で孤立感を深める台湾にとり、米国との包括的な経済協力を公式に確認したことは大きな対外成果だ。

 だが米国側と台湾内部のそれぞれに懸念が残る。

 米大統領選の結果、蔡英文政権と「史上最も親密な台米関係」(外交筋)を築いたトランプ大統領の敗北が濃厚になった。バイデン前副大統領の政権が来年1月に発足した場合、対台湾政策がどこまで継承されるのか、不透明だからだ。

 台湾と自由貿易協定(FTA)を締結することにバイデン氏は消極的だ、との見方すら広がっている。

 呉氏は会見で、米台経済対話について「これから毎年開かれる。政権交代に影響されない」と何度も強調した。ただ台湾の悲願である対米FTA締結の可能性について、呉氏は「新政権発足後にじっくり交渉したい」と語るにとどめた。

 対米関係について、台湾内部も一枚岩ではない。

 蔡政権は8月、対米FTA締結に向け、最大の障壁だった米国産の牛肉と豚肉の輸入を全面解禁する方針を発表したが、中国国民党など野党の反発はなお根強い。畜産業の保護や食品安全問題をタテに、「FTA交渉の先行きが不透明なら米国産の牛肉や豚肉の解禁も白紙に戻せ」と迫る。

 与党・民主進歩党の幹部によれば、蔡政権は輸入解禁方針を徹底させ、親台派の米民主党議員のパイプも通じてバイデン氏の理解を早急に得たい考え。対米交渉の進展で、台湾内部の反発を抑えることが可能との読みがあるとみられる。

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