【外信コラム】「春節後に営業再開!」という張り紙も… コロナ禍の複雑な心理

 どうやって生活をしているのだろうか-。新型コロナウイルス禍が収束する前の北京で、こんな疑問をずっと抱いていた。1月下旬の春節(旧正月)後に感染対策で多くの飲食店が数カ月の休業を余儀なくされ、街中には「春節後に営業再開!」という張り紙を残したまま空となった店舗が今も一部残る。事実上の自宅待機が数カ月続いたという会社員の話も耳にした。

 「貯金だよ。何かあったら頼れるのは蓄えだけだ」。コロナ後、冒頭の疑問をさまざまな中国人にぶつけると、こうした答えが返ってくることが多かった。

 「中国人は生まれたときから、自分の力で生きていくしかないと教え込まれている。生活の危機においては、国に期待せず自分でどうにかするしかない」

 日中ビジネスに携わる北京の自営業男性はこう話す。彼は、日中間の往来制限により大半の仕事が「消失」したままだという。

 ただ、国に期待していなかった分、満足感を覚えている人が多いのも事実だ。

 「コロナ後に社会保険料が減免された。そんなことをしてくれるとは思ってもいなかった」。北京の不動産業者の女性が喜んでいた。移動制限など強制力を使って進めるコロナ対策も「成果が出ているから不便でも仕方がない」と評価する。人の心理は複雑だ。(三塚聖平「北京春秋」)

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